古寺鉱泉 朝陽館 こでらこうせん あさひかん )

朝日連峰への登山口、車止めの位置から歩いて5分の月布川支流古寺川沿いに宿はあります。
建物は1937年(昭和12年)に開設された一軒宿の湯治場、現在は登山基地としての利用者が多いようである。
訪れたその日、朝日連峰では開山祭が行われており、いつもより多い登山客の皆さんが来訪されていました。
男女交互で使用される浴室内は2つの湯船となっており、手前は薪で加熱加熱してあり入浴するもの、奥は源泉で熱くなった湯船のお湯を冷ますものとなっている。(冷たい源泉槽は入るお湯ではないと注意を受けます)
源泉は鮮やかなオレンジ色をしており、同じ源泉を加熱した入浴槽の湯は鮮やかさが薄れ黒っぽくなります。
表面に浮かぶ白い湯膜の様な湯の華を身体に塗るとお肌はスベスベになります。
山菜自慢のお宿で自家発電、テレビ、明かり、電話も無い、初夏には蛍が乱舞するという、人里離れた温泉宿でした。


訪問日:2005.06.19


----- 温泉データ ----- 分析表

泉質: ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
旧泉質: 含土類-食塩泉  pH=6.6
蒸発残留物: 5,281mg
色匂い: 赤茶色、塩味、鉄味
効能(浴): きりきず、やけど、慢性皮膚病、他
源泉温度: 12.7℃
立ち寄り可: 500円 10:00-16:00 方式: 加温
住所: 山形県西村山郡大江町大字貫見
電話: 090-4638-7260(衛星電話)


温泉成分が堆積し波打った模様の付いた湯船は2つに仕切られており、手前側が入浴用で薪で加熱されています。
白い洗面器に張ってあるのは源泉槽の鉱泉水で、鮮やかなオレンジ色をしています。写真では分かり難いですが、入浴して目線を落としてお湯の表面を見ると湯膜の様なものが見れます。これが湯の華でお肌にとっても良いとの事です。
源泉を舐めてみると、塩味と炭酸を感じわずかに鉄味を感じます。
入浴感と宿の雰囲気、そして、沢の音とかじか蛙の声を聴き、ゆっくりした時間を感じながらの入浴がよろしいようでしょう。

薪で加熱された浴槽

入浴禁の源泉浴槽

男女入れ換え制のため、このお座敷で入浴順を待ちます。

山々の四季の写真、お花の写真が壁に掛けられ、山の手の神棚には煤けた大黒様が奉られています。
大きく取られた窓からは川のせせらぎが聞こえ、優しい風が吹き抜けます。
可愛い宿のおばあちゃんが話し掛けてきます。

入浴後”あーすっきりした”のきんちゃんの声に、”冷たいのに入っただろ”との合いの手が・・・


浴室に続く廊下です

切り株に書かれた古寺鉱泉の看板

車止めからは細い道を歩いて5分

この時期、宿には姫小百合も咲いています。

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